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2007/07/28

饗応不尽

陶芸家の河井寛次郎さんの詩を一編紹介します。
寛次郎さんが76歳で亡くなった年の詩で、最後の個展の案内状に記された言葉です。

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「饗応不尽」

無数のつっかい棒で支えられている生命
時間の上を歩いている生命
自分に会いたい吾等
顧みればあらゆるものから歓待を受けている吾等
この世へお客様に招かれて来ている吾等
見尽くせない程のもの
食べきれないご馳走
このままが往生でなかったら
寂光浄土なんか何処にあるだろう


(「河井寛次郎の宇宙 講談社」より引用)
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このままが往生でなかったら寂光浄土なんか何処にあるだろう・・・何とすごい言葉でしょうか!

寛次郎さんの陶器と同様、詩も、本当に深い深い世界を現していると思います。

自分に会いたい吾等―私たちは奥深くにある真の自分を見つけ出すためにこの世に生れてきたのだと思います。
それと、寛次郎さんにとっての、「自分」というのは、自分も他人もない、すべてのものの中にある「一なる大生命としての私」という意味合いも込められていたように思います。

食べきれない御馳走というのは、食べ物のことじゃなくて、美しいものの事の喩えでしょう。
私たちは、多くの生命によって支えられて生かされ、私達の周りには見尽くせないほど、味わい尽くせないほどの美が溢れています。
その事実に対して、寛次郎さんほど深く感謝することは今の私にはとてもできていませんが、少しでもその心境に近づけていけたら、と願っています。

※「饗応不尽」とは尽きない宴の意です。

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コメント

いい詩を紹介してくださり、ありがとうございます。

身のまわりにあふれている愛。

日常生活の中で見失いがちになりますが、「世界平和の祈り」に出会わせていただいてから、身の回りのもの、出来事を感謝して受け取る時間が増えてきています。

感謝しています。

世界人類が平和でありますように。

投稿: つるたろう | 2007/07/30 17時02分

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